県外のきのこ

2013年7月 7日 (日)

麻綿原・天拝園のあじさい…恐怖の自然

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先日、千葉県鴨川市にある清澄寺から、アジサイで有名な大多喜町の天拝園(妙法生寺境内)まで歩いてきました。


当日は雨に風、そして靄という三重苦の道のりを行くことになったわけですが、途中にはタマゴタケとの素敵な出会いがあり、かなり気分よく歩けました。

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こちらがアジサイ満開の天拝園です。

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不思議な看板がありますけど…いったいどういう意味なのでしょう?


天拝園を散策していると地元の人らしき人が声をかけてきました。


「どう? 蛭、大丈夫だった?」


いったい何のことやらわからず、ぽかんとしていると…


「ここらへんは、すごく蛭が多いんだよ! 血、吸われてない?」


はぁ、大丈夫です。みたいな返答をしたものの、何となく不安がよぎります。


「足元はもちろん、ときには上から落ちてくることもあるから、首のあたりも注意しないとだめだよ!」


そんなアドバイスをいただきました。なんでも、木の枝の上にいる蛭が人の気配を察知して落ちてくるというのです。


まっさかぁ〜、そんなことがあるわけないよな…なんて半信半疑の自分。


その方と分かれた後、首に巻いていたタオルをとってみると…


え〜っ、ほんとですかあァ〜!


タオルには赤い血判が数か所あるではないですか。うわぁ〜、本当だったんだ。


心配になって足元を見てみると…


ぐわぁ! 


10匹以上の蛭がズボンの裾の方にくっついています。縮んだときは小豆粒ぐらい、伸びると楊枝ぐらいの長さになります。それが尺取り虫のように足元から太ももの方に向かって這い上がってくるのです。


なかにはうまいことやって、ズボンの裾から潜り込んで足から血を吸っているものがいました。たっぷり血を吸った個体は豆のように丸くなって、意外にもすんなり体から離れますが、食事中のヤツは爪で引っ掻いてそぎ落すしかありません。これがちょっと気分悪いです。無理に引き離した場合は吸い口から血がだらだらと流れ出してなかなか止まりません。


吸われた傷口はチリチリと痒いような痛いような感覚がずっと残ります。


う〜ん、恐るべき自然!

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この看板の意味はそう言うことだったんです。遠回しに言われると何のことやらって感じです。


とても貴重な体験をさせていただきました。


「看板に偽りなし」

(この日は、きのこどころではなくなってしまいました…ョ)


● タマゴタケ/Amanita hemibapha
テングタケ科テングタケ属


(撮影:2013.07.04/千葉県鴨川市)

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2010年10月 7日 (木)

尾瀬ときのこと木道と

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今年の5月末から9月末までの約4か月、計9回も尾瀬に行きました。平均すると月に2回は訪れたことになります。「尾瀬と言えば自然の宝庫」みたいなイメージがあったので、さぞかしいろいろなきのこに出逢えることだろうと内心ワクワクしていました。ところが…

5月の下旬から8月の中旬にかけては、それほど多くの種類を見ることはありませんでした。その一因として、決められた道しか通れないということがあります。道をそれて山に分け入ったりできないので、広い範囲に目が届かないのが理由です。でも、それを差し引いても種類は少なかったと思います。よっぽど茨城県南の雑木林の方がきのこの種類が多いでしょう。また、尾瀬は冬の期間が長いうえ、平地に比べると年間を通じて気温が低いということも影響しているかもしれません(でも、夏は暑かった)。

きのこ発生の重要な条件としては、土や倒木、動物の糞といった基物になるものの存在のほか、湿度、温度があげられます。尾瀬は基物の存在と湿度という条件は満たすものの、温度がきのこ好みになっていないのかもしれません。


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話がそれますが、尾瀬を訪れた最初の頃にとても不思議だと思ったことがあります。それは木道にほとんどきのこが生えていないこと。きのこにとって最高の住処である木材(湿気も十分)が大量にあるのに、たま〜にサルノコシカケ科の小型のきのこを見るだけでした。これについては、材がカラマツであることが影響しているかもしれません。

カラマツはたいそう丈夫な木だそうで、あまり腐朽しないというか腐るスピードがとても遅い材だそうです。昔は線路の枕木に使われていたそうですから…その丈夫な材にコールタールをしみ込ませるのだから耐久性も抜群だったことでしょう。聞いた話によると、カラマツ林にはほかの樹木が進入しにくいそうです。カラマツは針葉樹のなかでは珍しい「落葉する針葉樹」です。針のような細かい葉を敷き詰めることで他の樹木の進入を阻んでいるのかもしれません。カラマツの葉は分解されにくいそうですから、土壌も特殊な状況になるようです。

ひょっとすると、カラマツは菌類を寄せ付けない天性の素質があるのかもしれません。化学的な分析をすれば、想像もしなかった抗菌物質が見つかるかもしれない…と密かに思っています。さらにカラマツ独自の不思議な菌類防御システム(あるいは特殊成分)が見つかるかも。

さ、くだらない妄想はこれくらいにしておいて、写真のきのこの話でもしましょう。なんと言うきのこなのかはわかりませんが、ヌメリスギタケモドキのように見えます。生えているのは生きたヤナギの木です。今まではコナラやクヌギの木に生えているものしか見たことがなかったので、ヤナギから発生していたのでちょっと驚きでした。

尾瀬(鳩待峠から尾瀬ケ原)も秋を迎えて、ようやくいろいろなきのこが顔を出し始めました。とくに目についたのは腹菌類のホコリタケの仲間です。茨城で見るものより色白だったのが気になりました。


(2010.9.29/群馬県片品村)

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2010年9月19日 (日)

言われてみれば…猫の舌

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これは、尾瀬の鳩待峠から尾瀬ケ原に向かう途中の山道で見つけたきのこです。

半透明できのこらしくない外見。何気なく傘の裏を見たら、おもしろい形状をしていたので撮ってみたわけです。鮫の歯のようなものがずらりと並んでいます。

どうやらニカワハリタケのような感じ。別名「ネコノシタ」と言うそうで、確かにそんな気がします。


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上から撮るとこんな形。団扇のような印象です。柄は中心部からかなりずれた側面に位置しています。傘の表面が黒色から茶褐色のものと白色系のものがあるそうです。色からすると、明らかに白色系ですね。

ちなみに、食べられるきのこのようです。図鑑には「色合いが美しく、みつ豆に入れてもよい」とあります。う〜ん、みつ豆ですか〜。きのこ料理のメニューからは想像もできない使い道です。この一文には恐れ入りました。でも食べてみた〜い!(ムフフ…)。


●ニカワハリタケ/Pseudohydnum gelatinosum
ヒメキクラゲ科ニカワハリタケ属

(2010.9.16/群馬県片品村)

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2010年8月 8日 (日)

鮮烈な紅

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先月の上旬に福島県矢祭町の滝川渓谷で見たきのこです。渓谷の下流から上流に歩いていくと、薄暗い林になかにこのきのこがたくさんありました。歩いている途中、ずっと生えていたわけではありません。あったのは渓谷の中流域にある杉林。かなり広い範囲に部分的にまとまって生えていました。

杉林なのでとくにきれいな花は咲いていません。なので、このきのこが鮮やかな紅の花に見えてしまいました。

ベニヤマタケの老菌のような感じです。傘は反り返ってめくれていましたが、目に眩しい色は健在。遠くからでも目立つので、きのことわかったときには少し驚きました。色の魔術師ってところでしょうか。


●ベニヤマタケ/Hygrocybe coccinea
ヌメリガサ科アカヤマタケ属

(2010.7.2/福島県矢祭町)

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2010年8月 7日 (土)

白い傘、黄色い傘

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先日、雨傘のような黄色いきのこを報告しました。それの白いバージョンが見つかりましたのでお知らせします。

シロイボカサタケです。かなり背の高いノッポな個体です。下の小さい写真が前回報告したキイボカサタケです。色は違うけどそっくりですね〜


●シロイボカサタケ/Entoloma muraii album
イッポンシメジ科イッポンシメジ属

(2010.7.2/福島県矢祭町)

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2010年8月 6日 (金)

半透明の灰色きのこ

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お茶碗みたいなきのこです。洒落た言い方をするとワイングラスのようなきのこでしょうか。グラスの外側と柄には毛が生えています。

色は灰色。半透明と言っては言い過ぎかもしれませんが、かなり透過性があります。ナガエノチャワンタケのような気がします。チャワンタケの名がついていますがノボリリュウタケの仲間のようです。ふ〜ん、そうなんだ。確かに、お椀の部分は丸いですけど、ふにゃふにゃと形が崩れたらノボリリュウタケの仲間とそっくりかも。


●ナガエノチャワンタケ/Helvella macropus
ノボリリュウタケ科ノボリリュウタケ属

(2010.7.2/福島県矢祭町)

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2010年7月31日 (土)

黄色い法具が転がっている…三又きのこ

密教の法具に金剛杵というものがあるそうな。それには何種類かあって、槍状の刃が上下にひとつずつ付いたものを独鈷杵(どっこしょ)、刃が三又になっているものを三鈷杵(さんこしょ)、中央の刃の周囲に四つの刃を加えたものを五鈷杵(ごこしょ)というらしいです。

いずれも魔を打ち砕く力を秘め、困難や煩悩を振り払う法具として用いられたとか。かの弘法大師が祈祷のときにいつも手にしていたのは五鈷杵らしいですね〜


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というわけで、写真のきのこは三鈷杵に似ているのでサンコタケと言うそうです。写っているのは黄色いきのこですが赤いものもあるそうで、両者は紅色型・黄色型と呼び分けられるみたいです。ちなみに極度の悪臭を放つと図鑑に書いてありますけど、私はまったく気づきませんでした。

普通種と図鑑にあるので珍しいものではないようですが、私は初めて見ました。


●サンコタケ/Pseudocolus fusiformis
アカカゴタケ科サンコタケ属

(2010.7.2/福島県矢祭町)

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2010年7月 5日 (月)

朱鷺が舞い降りた森

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ピンクがかった朱色と言いましょうか、朱鷺のような色をしたきのこ、ホシアンズタケです。


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見つけたのは栃木県の奥日光。西ノ湖から中禅寺湖方面に向かう途上、森のなかです。傘の表面には独特の網目模様があります。

果実のような芳香があると図鑑に書いてあります。残念ながら匂いは確認してきませんでした。肉には苦みがありますが、食用にされるらしいです。


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こちらは発生したばかりの幼菌らしいです。まるで宝石のようです。

●ホシアンズタケ/Rhodotus palmatus
キシメジ科ホシアンズタケ属

(2010.6.29/栃木県日光市)

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